ナガツです。

今日は、2019年にアカデミー賞にもノミネートされたNetflix映画「マリッジ・ストーリー」を紹介していきたいと思います。

「マリッジ・ストーリー」出演者とあらすじ

「マリッジ・ストーリー」は2019年ノア・バームバック監督作品です。

「マリッジ・ストーリー」出演者

  • ニコール – スカーレット・ヨハンソン
  • チャーリー – アダム・ドライヴァー
  • ノラ・ファンショー – ローラ・ダーン
  • バート・スピッツ – アラン・アルダ
  • ジェイ・マロッタ – レイ・リオッタ
  • サンドラ – ジュリー・ハガティ

「マリッジ・ストーリー」あらすじ【ネタバレなし】

女優ニコールとその夫チャーリーは離婚の危機に瀕していた。

元々ニコールは有名女優だったが、チャーリーと出会い彼の劇団に入団。

その後徐々にチャーリーの劇団はニコールの頑張りもあってニューヨークで知名度を上げ、やがてはブロードウェイ進出という成功を収めつつあった。

その一方で、だんだんと自分の存在価値に疑問を持ち始めたニコール。

何度も、故郷であるLAで暮らしたいとチャーリーに申し出るも、話を聞いてももらえない。

ついに二人は別居する事になり、一時的にニコールは息子と共にLAの実家へ帰郷する。

始めは二人の話し合いで離婚をしようと思っていたが、仕事仲間の紹介でニコールは弁護士のノラと知り合う。

結局は弁護士を立てた離婚調停に発展してしまうのだった・・・

「マリッジ・ストーリー」のネタバレ感想

まず初めに、私の話をしたいと思う。

私は現在36歳で独身の女性である。結婚の経験はなく、恋人もいない。

人間関係を培うのが苦手な質なので、積極的に人と付き合うことはしない。それは恋愛でも友人関係でも同じことである。

従って、今まで結婚願望というのも特になかった。結婚に憧れも特にない。

結婚できるかできないか、したいかどうかという以前に、そもそも私にとって結婚は現実的なものではなかったのだ。

もちろん、いずれ自分が結婚するかもしれないとは思う。そういう事になったら、抗う必要も感じない。

つまり私は、結婚に対して否定も肯定もしないのだ。

結婚して幸せな人には心から祝福するし、不幸な結婚をしている人は大変だな、と思う。

そんな、結婚とある意味「無関係」だった私が「現代の離婚」を扱った「マリッジ・ストーリー」を見て第一に思ったのは、

「結婚て、素晴らしいんだな」

という事だった。

「マリッジ・ストーリー」の争いの中に見える「真実の愛」

「マリッジ・ストーリー」は泥沼のような親権争いをした結果、離婚してしまう夫婦の物語である。

始めは話し合いで解決しようとしていた夫婦だったが、妻が弁護士に相談したことで事態は一変してしまう。

互いに弁護士を立てて「離婚調停」が始まると、その話し合いは激化してゆく。

想定外に泥沼化した審議に違和感を持った二人は、やはり「直接話し合おう」と夫の住まいで話し合う。

ところが、二人は話し合は激昂し、「死んでくれたらいいのに」まで言ってしまうほどの喧嘩になってしまう。

これほどお互いを罵り、傷つけ合うこのシーンは、またとないほどに激しい。

聞けば、このシーンはノンストップで撮影されたらしい。

その手法も納得なほどに熱の入った演技と見事な間合いで、緊張感がどんどん高まってゆくのが肌で感じ取れる。

これ程までに、憎しみが爆発したシーンはなかなかないのではないか。そう思うくらい、二人はお互いに憎しみをぶつけて激昂する。

しかし、このシーンで描かれるのは二人の決別や憎悪ではない。

このシーンの奥には、この二人の心の底にはお互いを愛し、リスペクトする気持ちがあり、にもかかわらず憎しみを持ち別れざるを得ない現状に対する戸惑いが描かれているのである。

「もう、こうなってしまってはどうしようもない」

そんな複雑な気持ちを持ちながら、一方で何とか前向きに納得しなければならない現状に対して、憤っているのがよくわかるのだ。

「マリッジ・ストーリー」憎しみの果てに見える愛の深さ

そもそも、ニコールとチャーリーは特に愛が冷めてしまって決別したわけではない。

ニコールはチャーリーの事を愛していたが、徐々に「彼といる時の自分の存在意義」に対して疑問を持つようになり、もっと自分らしい生き方をしたいと思うようになる。

そのことを、ニコールは幾度となくチャーリーに話を持ち掛けてきた。ところがチャーリーは、彼女の話を聞こうとはしなかった。

そこがチャーリーの問題点である。

チャーリーがニコールの事を愛していたこともよくわかる。ただしチャーリーはニコールを尊重することはなくなっていた。

その結果、二人は別れることになってしまったのだ。つまり、二人はお互いへの愛情が薄れたわけではない。

そのことがお互いに分かっているからこそ、罵り合っている間にも自責の念が拭い去れない。

チャーリーはしまいには「君が死ぬことを望んでいる」という、いわば最大級の罵倒を投げかけた直後、感情があふれ出して泣き崩れてしまう。

このシーンに、私はい心底衝撃を受けた。

真剣に愛しているからこそ、「君が死ぬことを望んでいる」という言葉が出るのだ。

誰かに対して、「死んでほしい」という言葉を投げかけるのは、心からその相手の事にこだわっている場合でなければ出ないのではないか。

本気で相手を思いやる気持ちが無ければ、そもそもこれだけのすさまじい喧嘩にならないのではないか。

諦めて、「もうコイツどうでもいいや」と思っている相手にそこまでの感情を爆発させる必要などないのだ。

「君が死ぬことを望んでいる」と言って、それを言って泣き崩れるチャーリーを、ニコールが抱き寄せる。

これほど「愛」に対して差し迫った表現を見つけることは、なかなか難しい。

こんな風に言い争える人は、私にはいない。

チャーリーとニコールのような関係になれるのだとしたら、私は結婚しないことで損をしているのではないか。そこまで思うほど心を揺さぶられた。

「マリッジ・ストーリー」は結婚ではなく人間そのもの描いている

もちろん、こんな風に言い争って決別する夫婦ばかりではない。

すっかり仲が冷めきって、熱量もなくただ憎しみのみが残る離婚もあるだろう。夫婦にはいろいろな形がある。

だから私が例えば結婚したとして、チャーリーとニコールのような、ある意味で「理想の離婚」ができるとは限らない。

むしろこんな関係になれる場合は稀だろう。

ただ、私はそもそも「言い争いは愛の形」であることすら今までは考えてこなかった。

誰かと言い争ったり、誰かのことを真剣に考える事。

それは何も、恋愛対象だけとは限らない。家族の愛や、友情でも同じことが言えるだろう。

「誰か」にとっての「誰か」。

人間とは、もしかしたら拘り合って、ののしり合って、関係を作ってゆくものなのかもしれない。

そう考えてみると、私はこの映画が「結婚」だけではなく、そもそもの「人間の本質」を描いているようにすら思う。

人間はきっと、ニコールやチャーリーのように矛盾を抱えながら生きてゆくのだろう。

その「矛盾」こそが、人間が持つことのできる特権なのかもしれない。

私は現在、その「矛盾」を持ち合わせていないように思う。そしてこの映画を観て、「矛盾」を持ちたいと思った。

「矛盾を持つ」という事がどれほど幸せなことか。

そんなことを思った私は、ある意味で初めて一つの「矛盾」を持つことができたのかもしれない。

「マリッジ・ストーリー」のキャストのすばらしさ

それにしてもこの映画はとにかく俳優が素晴らしかったというしかない。

ニコール役スカーレット・ヨハンソン

ずいぶん昔からスカーレット・ヨハンソンが私は好きだったが、MARVELの映画に出始めたり、ルーシー、ゴースト・イン・ザ・シェルと言ったクソ映画に出演してダメすぎる演技を発揮し始めてから、「この人思ったよりイマイチじゃね」と思ってしまっていた。

ところがこの「マリッジ・ストーリー」ではそんな印象を光速でぶっ飛ばすような素晴らしい演技を見せてくれた。

この映画はスカーレット・ヨハンソンにしかできなかったと思う。

チャーリー役アダム・ドライバー

スカーレット・ヨハンソンは大変素晴らしかったのだが、それ以上にさらに素晴らしかったのが、チャーリー役のアダム・ドライバーである。

アダム・ドライバーは前年の「ブラック・クランズマン」で初めて演技を見て、その存在感に圧倒された。

映画自体は私は全く面白いと感じなかったが、アダムはめちゃくちゃかっこよかった。

ただし、「ブラック・クランズマン」の時は比較的仏頂面な役柄だったので、今回のような表情豊かな役は初めて観たことになる。

心底素晴らしいと思った。

めちゃくちゃかっこいいので、今後もいろんな映画を観たいね。

ノラ役ローラ・ダーン

とはいえ、この映画で最も衝撃的な演技を見せたのは、この年のアカデミー賞を受賞したローラ・ダーンだろう。

マジで、凄すぎ。

この人の演技を見た時には、アカデミー賞のノミネーションも発表されていないのに「ローラ・ダーンの年だな」と思ってしまった。そのくらいすごかった。

そもそもローラ・ダーンはデヴィッド・リンチの映画に出演したときもなかなかに灰汁の強い演技を見せていて素晴らしいと思っていたが、ここにきて頂点極まった感じだ。

マリッジ・ストーリーのまとめ

というわけで、今回はNetflix映画「マリッジ・ストーリー」について語ってきました。

[st-kaiwa1]一口に言って、良い映画すぎ[/st-kaiwa1]

マジでいい映画すぎてボロボロ泣いちゃったし、何度見ても泣いちゃうと思う。

こんな風に、愛情をぶつけ合える相手がいることは本当に素晴らしいと思います。

この映画は、既に結婚した人も離婚した人も、誰にでもおすすめしたい映画だなと思いました。