ナガツです。

今日は、ジョージ・クルーニー主演作「マイレージ・マイライフ」をレビューしたいと思います。

「マイレージ・マイライフ」出演者とあらすじ

「マイレージ・マイライフ」は2009年ジェイソン・ライトマン監督によって制作された映画です。

「マイレージ・マイライフ」出演者

  • ライアン・ビンガム :ジョージ・クルーニー
  • ナタリー・キーナー :アナ・ケンドリック
  • アレックス・ゴーラン :ヴェラ・ファーミガ
  • クレイグ・グレゴリー :ジェイソン・ベイトマン
  • カーラ・ビンガム :エイミー・モートン
  • ジュリー・ビンガム :メラニー・リンスキー
  • ジム・ミラー :ダニー・マクブライド
  • スティーヴ :ザック・ガリフィアナキス
  • ボブ :J・K・シモンズ

「マイレージ・マイライフ」あらすじ【ネタバレなし】

ジョージ・クルーニー演じるライアン・ビンガムは、オマハの人事コンサルタント会社で働いている。

彼の仕事は、雇用主に代わって雇用者に解雇を言い渡すこと。そのためにライアンは、常に全米中を駆け回っていた。

彼は自宅が嫌いで、飛行機を「我が家」と呼び、航空会社のマイルを貯める事に喜びを感じていた。

そんなある時、野心的な若手女性社員であるナタリーにより、会社に対して

「今後はテレビ電話で解雇を言い渡すシステムを入れるべきだ。そうすればわざわざ社員が移動するコストを抑えられる」

との提案があり、上司はその提案を前向きに検討することに。

それが決定されれば自分が出張する必要はなくなり、常に自宅でわびしい生活をしなければならない。

そこでライアンは上司に、ナタリーの提案が机上の空論で、いかに現場の事を考えていないのかということを熱弁する。

その結果、ナタリーを教育させるために出張に同行させることになってしまった・・・

「マイレージ・マイライフ」感想【ネタバレあり】

ハリウッド映画はとにかく「孤独」というものを毛嫌いしている。

多くのハリウッド映画には「孤独」な人物が登場し、彼もしくは彼女がたとえその孤独を愛していて楽しんでいても、最終的には「孤独はダメ。絶対。」という結論で結ばれる。

まるで、「孤独を嫌わなければならない」という法律でもあるかのように、猫も杓子も「アンチ・孤独」である。

ライアンは「孤独に苦しんでいる」ことを自覚していた

ライアンは元々家族との付き合いもほとんどなく、一人でいる事を愛している男性だ、というような描写がなされている。

彼は飛行機に乗ることを生きがいとしていて、解雇の仕事も成功しているビジネスマンだ。

常に飛行機で過ごす彼は生き生きとしているように見える。

ところが彼は冒頭に、「出張せずに自宅で過ごす時間は惨めだ」と言っている。

つまり、彼は元々自分の孤独を紛らわす為に飛行機に乗っていることを既に自覚している。

彼は「自分は孤独だ」と認識しているのだ。

ところがこの映画では、彼は空の上では幸福だという描写が続いている。

「マイレージ・マイライフ」で見る、「孤独」を嫌う人を救う方法は?

つまり、彼はそもそも「巨大な孤独心」という大きな問題を抱えているのだ。

そして事実、彼はとても人間みあふれた若手の社員と一緒に過ごすことで、だんだん自分の「孤独心」と向き合う必要性を感じ始める。

目を背けてきた、家族との関係に向き合う必要があるのではないか。

空港で出会った「大人の関係」を続ける美しい女性との関係にも向き合う必要があるのではないか。

そうして、次第にライアンの心には今までになかった感情が芽生えてくる。

そしてその感情は彼の行動をも変化させる。

その結果、彼にとってはいい事も、悪いことも起こってしまう。

しかし、「人と関わる」ということを取り戻したライアンは、確実に今までと違った人物になってゆく

彼が最終的に「孤独から救われた」と思うのは短絡的だが、少なくとも「人間らしさ」は取り戻せたのだろう。

「マイレージ・マイライフ」で考える、孤独を愛する・愛さないことの問題点とは?

とまあ、「マイレージ・マイライフ」はこんな感じで幕を下ろす。

面白い映画である。よくできている。この映画を見て、励まされる人間だって結構多いと思う。

「マイレージ・マイライフ」のライアンは、そもそも「孤独に苦しんでいた」という事の問題を解決したのだ。

ライアンは最初から楽しそうに見えて孤独を抱えてきた。そのことに彼自身も気づいている。

この映画ではその「大きな問題」を目立たせないよう、あくまでも「一人でいることが大好きな愉快な人間」として見せられるように、最初からなるべく描かないようにした、というだけの事だ。

映画には多少の印象操作は必要だと私も思っているが、これはそのいい例だと思う。

ライアンはそもそも孤独に苦しんでいた。それが、新入社員とのやり取りがきっかけで「それではダメだ」と自覚し、孤独から立ち直るように努力する。

「マイレージ・マイライフ」は、そういう映画なのだ。

そういう映画であることが悪い、ということではない。むしろ、一般的な価値観に寄り添っているし、脚本も巧みでとてもいい映画だと思う。

ただ、そもそも孤独を愛している私みたいな人にとっては、自分事ではなかったな、と思っただけだ。

だから、ことこの映画で描かれる「ライアンの孤独心」の着地点に関しては「ふーん」というくらいの感想しか持っていない。

この映画は、孤独をごまかしながら生きている人々(おそらく多くの人たちがそうなのかもしれないが)には良い映画なのだろう。

ただし私自身は、孤独にはいろいろな事情があると思うし、孤独って人と関われば解決するものでもないように感じているので、少し私向きのテーマではなかったかな、と思った。

孤独の深堀がやや凡庸といった印象だった。

コロナ禍の今だから考えたい「雇用問題」

今は2020年5月である。コロナ禍真っただ中だ

日本でもとてつもない勢いで経済は傾いているが、経済面において最も打撃が強い国の一つがアメリカだという。

先月のアメリカの失業率は14.7%と、世界恐慌以来最悪の数値をたたき出した。

その2か月前までは失業率はたったの3.5%で、約50年ぶりの低水準だったという。

参考記事アメリカの4月の失業率、世界恐慌以降で最悪の14.7%に 米労働省雇用統計

この時代だからこそ、「マイレージ・マイライフ」には見るべきものがあるんじゃないかと思っていた。

ところが、明確な形でこの映画は「雇用問題」を扱ってはいない。

この映画は、どこまで行っても中年男性の孤独がどうなるかといった物語で、そこから一歩も外へ出ようとしないのだ。

何度も言うが、別にそれが悪いわけではない。映画としてはよくできていて楽しいのだ。

そして、もちろん映画のテーマというのは広げれば広げるほど難易度が上がることも、分かっている。

「マイレージ・マイライフ」で、ライアンは元々人を解雇する役回りだったのを、最終的に初めて「GIVE(与える)」役回りを買って出る。

そうすることで、彼は今までになかったアイデンティティーを手に入れた。

彼は孤独と向き合い、自分と向き合う事でそれまでと違った自分を手に入れるのだ。

そこには、アメリカの「雇用問題」はあまり関わらない。

ただし、観ている者が思うことはできる

この映画に出てくる、たくさんの「希望を失った人たち」の表情を見ていると、こういった現実がコロナ禍の今、より大きな意味を持つように感じた。

「マイレージ・マイライフ」では解雇された人々は、ほとんどの場合で細かに描かれることはない。

その分、数えきれないほど多くの「解雇された人々の顔」が描かれる。

シンプルにその「物量」で心に語り抱えてくるものがあるかもしれない。特に今の時代は。

「マイレージ・マイライフ」出演者について

それではここからは、出演者について話をしていきたいと思う。

ライアン・ビンガム役ジョージ・クルーニー

そもそも私はあまりジョージ・クルーニーが好きではない。自信満々な雰囲気がいつも同じで、特に特別な何かを感じないのだ。

イケメンだなとは思うのだが。

しいて言うなら、ロバート・ロドリゲスの「フロム・ダスク・ティル・ドーン」はカッコよかったかな。

今回もまさしくその枠からは出ない役柄だった。

ナタリー・キーナー役アナ・ケンドリック

アナ・ケンドリックという女優がそもそもどういう女優なのかはあまり知らないが、私はこの役も女優もそこまで魅力的に感じなかった。

頭が固い、クソ真面目な感じ…ということなのだろうか?キャラがそもそもイマイチつかめない。

解雇をオンラインでやろうという発想が先進的な割には、堅物で面白みがなく、すぐに上司に言い負かされたりして優秀さも感じない。

このキャラが全然かわいくないのである(顔でなく、中身が)。

この魅力の薄さは、ナタリーのキャラクターのせいなのか、アナ・ケンドリックのせいなのかどっちだろう?

アレックス・ゴーラン役ヴェラ・ファーミガ

正直いって、私にとって「マイレージ・マイライフ」はヴェラ・ファーミガの美しさを堪能するための映画だった。

この映画のヴェラは、ちょっとどうかしているってくらいに美しい。演技もめちゃくちゃかっこいい。

最終的に、実は彼女には家庭があってライアンはフラれるのだが、この辺はもう「やっちまったなライアン」というしかなかったネ。

まとめ

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というわけで、今回は「マイレージ・マイライフ」をレビューしてきました。

そこそこ批判的な感じになっているように見えますが、内容はかなり良くできていて面白かったと思います。

私には、この映画が刺さらなかった、というだけ。

誰でも楽しめる、いい映画だと思いました。